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寝返りとマットレスの役割
就寝中の寝返りが大切です。
人は就寝中にいくども寝返りを繰り返しています。
この寝返りがスムースに行われないと良い睡眠とはいえません。
なんだか寝た気がしない、疲れが取れない、身体のふしぶしが痛いなど、活力を生み出すための睡眠が満足に行えないのです。
それにはベッドのマットレスの機能が大きく関わります。
硬過ぎるマットレス、柔らか過ぎるマットレスは、寝返りをしすぎたり少なすぎたりとうまくありません。
自分の体質や体重、年齢などを考慮した、ご自分に合ったマットレスに出逢えばより良い睡眠が手に入ります。
マットレスの役割
マットレスには体圧分散という役割があります。体圧分散とは、体にかかる圧力を全身に分散させることです。
人は、仰向けになると頭・背中・腰・足の4カ所に重力が集中します。
そのなかでも特に負担がかかるのが腰で、全体重の約44%もの重力が集中するといわれています。
快適に眠るためには、腰にかかる体圧を全身に分散させて腰への負担を減らす必要があるのです。
このように、マットレスには体圧分散という役割があります
硬さが合わないマットレスによる影響
硬さが合わないマットレスは寝心地が悪いだけでなく、使用を続けると体に悪影響を及ぼす可能性があるので注意しましょう。
硬すぎる場合
硬すぎるマットレスを使用していると、マットレスに触れている部分が体重で圧迫されるため、血行不良につながります。
血行を促進させるために寝返りが多くなり、朝起きたときの疲労感や不眠の原因になるのです。
また、マットレスが硬すぎると仰向けになったときに腰が浮いてしまい、肩と腰に大きな負担がかかります。
結果、腰痛や肩こりが起こりやすくなるので注意が必要です。
柔らかすぎる場合
マットレスが柔らかすぎると、スムーズに寝返りがうてません。
必要以上に体がマットレスに沈み込み、不自然な姿勢になってしまうので、かえって腰や背骨に負担がかかるのです。
さらに、柔らかすぎるマットレスは横たわったときに体が包み込まれるため、風通しが悪くなります。
特に夏は蒸れてしまい、暑さで寝苦しく感じることもあるかもしれません。
それでは寝返りにはどんな意味があるのでしょうか?
下記に記してみます。
寝返りの意味
- 血流を促す
- 温度調整
- 睡眠のリズム
血流を促す
寝返りせずにずっと同じ姿勢でいると、マットレスと接触して圧力のかかっている部分の血液の循環が悪くなったり、重力のかかり方が一定であるため、身体の一定の部分に血液や体液が滞留しやすくなリます。
例えば寝たきりの方に寝だこが出来たり、もっと重症化するとその部分が壊死することもあります。
そのためには睡眠中に無意識とは言え適正な寝返りを打っていることが大切です。
血液は全身を循環して、酸素などの必要な栄養を全身に供給し、二酸化炭素などの不要物を集める重要な役割があります。
この血液循環が滞ると、肩こりや腰痛の原因となる事があります。
睡眠中の適正な寝返りは健康維持には最も大切なことです。ですからベッドのマットレス選びは慎重にしなければなりません。
硬すぎるマットレスは寝返り数が増えて熟睡出来ませんし、逆に柔らか過ぎるマットレスは身体が沈み込んで寝返りがスムースに出来ないのです。
※毛足の短いムートンシーツを使うと、体圧が細やかに分散され寝だこには良いようです。
温度調整
寝返りにより寝具の中に対流を生じさせ、自然と寝具の中の温度や湿度を調節したりしています。
寝返りによって布団の中の空気が動くので温度の偏りを是正してくれるのです。
また、発汗には体温調節(気化熱により体温を下げる)という重要な機能がありますが、圧迫されている側の身体の発汗が抑制される“半側発汗”という性質があります。
このため、暑いときにマットレスと接触している部分は体温を下げることができないため、接触部分が蒸れ、温度が上昇します。
熱帯夜には寝返りが多い、という経験は誰にもあると思いますが、これは身体が体温調節を行っている現われなのです。
湿気が多く蒸し暑い夏がある日本で使うには通気性の良いマットレスやすのこベッドがオススメです。
睡眠のリズム
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、さらにノンレム睡眠が段階1~4に分類される睡眠段階というものがあります。
それは一時間半ごとに繰り返されると云われています。
一晩の睡眠は、この睡眠段階を繰り返すことで構成されていて、質の高い眠りには、このサイクルが重要と考えられています。
例えば深い眠りとされるノンレム睡眠の段階3や4が異常に長く続くような睡眠では良い睡眠とは言えません。
そして寝返りは、睡眠段階3あるいは4の終了時、レム睡眠に移行するノンレム睡眠期、レム睡眠の終了時に発生することから、睡眠段階を移行させるスイッチのような役割があると考えられています。
寝返りがしやすいマットレスの条件
マットレスの「硬さ」が重要です。
マットレスの硬さによって寝心地は大きく変わります。
マットレスを選ぶ際は、サイズや素材だけでなく、硬さにも注目してみましょう。
ただしこの硬さは万民に共通ではありません。
たとえば、極端なはなしですが、体重120kgを超す人と、体重50kgの人とではハードのマットレレスでも感じ方が極端に違います。
体重が重い方にはハードでも硬さが感じられず、体重が軽い人はとても硬く感じてしまうものです。
また大きさも重要です。
身体が大きな人がシングルサイズで縮こまって寝ていては、寝返りもままならず疲れも取れません。
このような方はセミダブルサイズやダブルサイズがお勧めです。
適切な硬さのマットレスの見極め方法
寝姿勢を保てるか
まずは、マットレスに仰向けになったときの寝姿勢を確認しましょう。
背骨のS字カーブが立っているときと同じ状態に保てる硬さが理想です。
腰が沈みすぎてS字カーブが崩れるマットレスは、柔らかすぎるので避けたほうがよいでしょう。
マットレスと腰の間のスキマ
適度な硬さのマットレスは体圧分散に優れているため、腰などに負担が集中せず、正しい寝姿勢を保てます。
実際に仰向けになったときに腰が浮かないかを確認してみましょう。
腰が浮く場合は、体圧分散性が悪く、硬すぎるといえます。
寝返りがうちやすいか
店頭でマットレスの硬さを確認するときは、横になるだけでなく、何回か寝返りもうってみましょう。
適度な力で寝返りがスムーズにうてれば、適度な硬さだといえます。
逆に、寝返りをうちにくいものは柔らかすぎます。
マットレスの種類と厚みの評価
マットレスの分類 | 厚みと評価 |
マットレストッパー | 3cm=一般的なマットレストッパーの厚み。分厚い敷きパッドと同じくらいのサポート性。これ一枚で寝るのはやや不十分。
5cm=同じくらいのサポート性。これ一枚で寝るのはやや不十分。厚めのマットレストッパー。体重30kg前後の子供なら、この厚みのもの一枚で寝ても問題ない。 |
敷布団/ ノンコイル 薄型マットレス |
7cm= やや薄めの敷布団などの厚み。体60kg前後の人であれば底つき感少なく寝られるが、横向き寝だとやや不安。
10cm =敷布団・床置きマットレスの厚み。体重80kg前後でも底つき感なく寝られる。折り畳んだり、収納できる限度の厚み。 |
ノンコイル マットレス |
15cm= 大の大人でも問題なく寝られる厚み。折り畳んだり、収納するのは困難。ベッドの上で使うべき厚み。
20cm= 厚いノンコイル、薄型のスプリングマットレスによくある厚み。 |
コイル スプリング マットレス |
25cm= 標準的なベッドマットレスの厚み。スプリング製のものが大半。シングルサイズでも20kg以上の重さになる。
35cm =ベッドマットレスとしては分厚い部類。スプリング製で両面仕様のものが大半。ものによっては厚すぎることもあり。 |
寝返りがしやすい睡眠姿勢と枕の関係
枕の硬さや形状、大きさなども寝返りに影響します。
枕の本来の役割は、頭と首と肩を支え、血流をなるべく阻害しないようにすることです。穏やかに呼吸ができるように気道を極端に曲げないことです。
そしてそれは脊椎をニュートラルに保つことです。
人が直立しているときは、背骨と首の骨が頭を支えています。
頭も首もだいだいまっすぐになるように、脊椎(せきつい;背骨のこと)を構成している骨や、すぐそばの筋肉や腱(けん)が複雑に協力しあって、首の上にだいたいまっすぐ頭が来るようにバランスしています。
まっすぐと言ってもこれはやや穏やかにS字カーブを描いています。
仰向け寝の時横から見て穏やかなS字を描きます。
ただし横向き寝の時は横から見て脊椎が真っすぐになるようにします。
たとえ私たちが8時間寝ていなくても、睡眠は、私たちの健康を維持するための大きな要素の一つです。
そして睡眠時の姿勢は睡眠の質に大きな影響を与えています。
このことは、寝た気がしないとか、疲れが取れないなどの場合、今までの寝姿勢を切り替える必要があるかもしれないことを意味します。
このような役割の枕ですがあまりにも小さかったり、硬かったりすると寝返りがしずらいことは言うまでもありません。
まとめ
まだまだ医学的には分からないだらけの睡眠ですが、私たちは経験上、夢も覚えておらず、目覚めがスッキリし疲れがどこにもないというような、子供の頃のような睡眠が健康的であることは経験上知っています。
そんな睡眠がお望みならば、私たちは一日のライフスタイルを整えるところからはじめなければなりません。バランスのとれた食事と適正な運動と規則正しい生活。ストレスからできるだけ遠ざかり、日々生きがいがあれば身心ともに充実しています。そして肝心の睡眠は、良い寝室環境と良いベッド(マットレス)がもたらすというわけです。
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