

子供の頃のように目蒸れたら幸せですね
健康の源は睡眠
私たちが健康で過ごすための大切なものの要素は、バランスの取れた食事と、適度な運動は欠かせません。そして何より重要なのは満ち足りた睡眠です。
人生という長い時間の中で、私たちはおよそ3分の1ほどは寝ているのですから、少しも疎かにはできません。
快適で満ち足りた睡眠で得られる効果は計り知れないものがあります。肉体的な疲労回復はもちろん精神的な疲労回復もあります。

レム睡眠とノンレム睡眠のリズム
睡眠でよく言われるレム睡眠とノンレム睡眠は、脳や身体の状態の違いから区別される睡眠の種類です。レム睡眠では、脳が活発に働いており、記憶の整理や定着が行われています。レム睡眠中は目がぴくぴく活発に動く、急速眼球運動があることからレム睡眠と呼ばれています。
一方、レムのないノンレム睡眠では、大脳は休息していると考えられ、脳や肉体の疲労回復のために重要だとされています。
眠りは、まずノンレム睡眠から始まり、一気に深い眠りに入ります。
眠りについてから1時間ほどたつと、徐々に眠りが浅くなり、レム睡眠へと移行します。
その後、またノンレム睡眠に移行して深い眠りに入った後、眠りが浅くなってレム睡眠に移行します。
個人差がありますが、このような約90分の周期が、一晩に3~5回繰り返されます。
睡眠の前半は、ノンレム睡眠の深い眠りである場合が多く、後半になるにつれてレム睡眠が増えてきます。そして目覚めます。
このような睡眠リズムがストレスなく繰り返されることが快適な睡眠と言えるでしょう。
良い睡眠はストレス解消だけでなく、抑うつ状態の改善を図ることができとても有効です。
睡眠の質を高めることで、不安感や憂鬱感・空虚感などの気分の落ち込みにも効果を期待できます。
脳を休ませるノンレム睡眠は、脳細胞の修復・改善が行われます。「寝つきがよいと体の疲労がよくとれる」というのは、深いノンレム睡眠時に成長ホルモンが分泌されることで、疲労した体の組織が再生されるからです。
レム睡眠時にも、筋肉の緊張が緩むことによって肉体的な疲労回復が行われています。
良い睡眠でストレスをリセット
さて上記したように快適な睡眠は誰でも望むわけですが、なかなかそういう訳にはいかなくなります。それは年齢を重ねるほどに難しくなるのかもしれません。
一番悪影響を及ぼすのは、ストレスです。現代社会に生きていると何かとストレスにさらされることになります。社会人になって社会的責任を持つ前から始まっています。
幼稚園や小学校へ入学するとすでにストレスが私たちに向かってやってきます。生活サイクルの変化、環境の変化、他人との関わり、次々とやってくる課題、その他諸々…
やがて成長し中学や高校、大学等の受験、それは節目節目の最高潮のストレスです。更に就職問題、就職すれば出世競争、結婚、子育て、良いこともあればストレスに感じることも少なくありません。
多かれ少なかれそのようなストレスにさらされる可能性が一生涯続くことになります。
つまりこの世界に生まれ存在すること自体がストレスの坩堝にいると言うことです。
そしてこのようなストレス社会を乗り切るために絶対に必要なのが、快適な睡眠と言うことになります。
快適睡眠を得るために効果的なのは軽い運動です。バランスの取れた食事や、生活リズム、とともに適当な運動は良き睡眠のための必須の要件です。
寝室のロケーションと環境

住宅の真上ジェット機が飛ぶロケーション
さらによき睡眠を取るためには住空間も整えなければなりません。
住空間、ロケーションは絶対的な要素です。
空港のすぐ傍や踏切の脇、幹線道路に面していては騒音に悩まされます。そのような環境ではできうる限りの防音対策を施せねばなりません。
寝室は他人に見せる場所ではありませんが、コストを掛けてでも過ごしやすくすべきです。休まるインテリの整備、空調での温度湿度管理、はもとより寝室の位置も関係してきます。
どうせ寝るところだから北向きの日当たりの悪い部屋でもいいのではなく、目覚める時刻に朝日が射す部屋ならば完璧です。なぜなら人は朝日を浴びることによって一日の生体リズムが整うからです。
ですからそのようなロケーションであれば、朝起きたらすぐにカーテンを開けて朝日を浴びましょう。
もし朝陽が当たらない部屋や雨の暗い朝であるなら、照明をつけて部屋を明るくする習慣をつけましょう。そうすることで、朝日を浴びたと同じ効果が得られます。
一日の生体リズムが整えば、寝つきが良くなり、さすればスッキリと起きられるという良循環が生まれます。このようにさまざまな意味で、寝室は家の中で最も重要なスペースです。
今日のようなデジタルの世界では時間に対する要求が一層厳しくなっているため、質の高い睡眠の必要性がますます大切になってきています。
快適で満たされた睡眠は、集中力と生産性の向上をもたらし、免疫機能、精神的健康に利益を生み出します。
面白いことに十分な睡眠は、体重減少にも役立つことが示されています。
睡眠を促進する環境を作り出すことは非常に重要であり、機能的で美しいデザインのベッドルームは、著名な建築家やデザイナーたちに於いても重要な視点となっているのです。
より良い睡眠のための寝室設計

より良い寝室の作例
最適な位置にベッドを配置しましょう。
快適な寝室を作ることは、よりよく眠るためには不可欠です。
頭を休めるのに最適な場所は、静かで暗くて温度や湿度が整った場所です。
また風水による寝室のベッドの位置は単なる占いではなく科学的にも理にかなっています。
風水のベッドの位置は、部屋が見渡せる位置にベッドを配置しますが、コツはドアからは外すことです。
ヘッドボードはメインの内壁の中心に寄せて、ベッドが中心になるようにする必要があります。
こうすれば、ベッドサイドテーブル用のスペースが両側に残ります。それらのテーブルに植物が置かれている場合はボーナスポイントがあり、植物は「空間に自然のエッセンスを加える」ことができます。
このベッドの位置により、ドアを直接見つめることなく、自分の空間を見守ることができるようになります。そうすることで、睡眠までの流れの中断がなくスムースに睡眠に入れるでしょう。
ドアとベッドの位置が直線状に重なることは、風水的には「棺桶の位置」と呼ばれ、忌み嫌われる配置になります。
たしかに風水を知らない私たちでも、ベッドに寝ていてドアが視覚の中心に入れば、何時なんどき誰かが入ってくるかも、と身構えてしまいます。
仕事の残りをすべてリセットしましょう。

寝室での仕事はNG
睡眠までの流れの中断について言えば、可能であれば、中断される可能性のあるものはすべて、携帯電話や特に仕事用のコンピューターも含めて、別の部屋に置いておきます。
現代の私たちはあまりにも電子機器とのつながりが強くなっています。
しかし、寝室では電子機器をできるだけ持ち込まないことが望ましいです。テレビ、パソコン、スマートフォン、などは部屋の外に置くべきです。
夫婦や恋人たちの場合、寝室は睡眠とセックスのためだけに使用すべきです。寝室は安心できる場所であるべきです。このような場所で仕事のことを考えていては本来の目的が達成できなくなります。
現在、寝室に本棚がある場合は、別の部屋に本棚を移動させたほうがよいでしょう。寝室に本や本棚を置いておくと、無自覚にも眼に入りさらに多くの思考が巡りめくだけです。ですから、現在読んでいる本でない限り、沢山の本は別の場所に保管することをお勧めします。
ベッドの下を綺麗にしましょう。
ベッドの下は、たとえ収納場所と利用したくとも、本当は何も置くべきではないでしょう。
ベッドの下が収納場所になっていると通気性がそがれます。湿気や温度調整がうまく機能しない可能性があります。
ベッドの下を掃除をした後など不思議なことですが気分が清々しくなります。ですから清潔感が精神を清々しくさせることは確かです。
寝室をできるだけシンプルに、多くの気を散らすものを排除するには、できるだけものを取り除き少なくすることも有益です。
寝室に理想的なブルーとグリーン
特定の色が私たちの気分を落ち着かせる効果があることはどなたもご存じでしょう。
睡眠に最適な寝室の色は、白やベージュ、青系、緑系です。
これらの色を使用すると、一晩の総睡眠時間を延長できることが研究で示唆されています。
インテリアに於けるカラーコーデネィトの基本は3つです。
- ベースカラー
- メインカラー
- アクセントカラー
天井や壁、床など面積が広い部分をベースカラーと言い、ベッドやカーテンなどをメインカラーと言います。
それに付随するアートやクッション、スタンドなど小物をアクセントカラーと言います。
ここではベースカラーについて説明します。
就寝前にリラックスできるかどうかは個人の好みによって左右されますが、質の高い睡眠が目標の場合、他の色よりお勧めの色が あります。それはブルー系あるいはグリーン系です。ブルーの色調は、落ち着いているだけでなく、脳を落ち着かせる効果があります。
たとえば、青は呼吸と心拍数を下げることが研究で示されており、眠りに落ちるのに最適です。どのようなブルーの色合いも静かな雰囲気を呼び起こすことができますが、最高の睡眠誘発効果を得るには、寝室の壁には明るい色合いを使用することを提案します。
水色は科学的には、落ち着きと静けさの感情を生み出すことに関連しています。研究によると、寝室が青いと他の色と比べてよく眠れることもわかっています。
リラックスできる環境を整えるには青が一番の選択肢ですが、別の色もそれほど遠くない色です。緑は自然を連想させるため、リラックスした気分にさせてくれるかもしれません。
柔らかく自然なセージ グリーンの色調を選んで眠りを誘うか、ブルー グリーンを選んで海のような静けさと自然の雰囲気を組み合わせましょう。
一度出来上がった住宅や賃貸などは壁をいじれない場合が多いですが、その場合はカーテンやベッドカバーカーペットなどメインカラーに採用しましょう。で
脳は赤色では激しさ、興奮、情熱、戦争、危険と結びつけ睡眠に最も適していない色使いになります。
同様に、明るいピンクやネオンのピンクや紫も、眠りに就くときに刺激が強すぎる可能性が強いです。
ランプや天井照明器具の電球を交換します。
家の中の人工光は自然光を模倣するため、自然な睡眠リズムを狂わせ時間の経過とともにメラトニンレベルの上昇を妨げる可能性があります。
メラトニンは脳の松果体(しょうかたい)と呼ばれる部分から、 体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があります。
より安らかな照明計画は、寝室の電球をすべて目が疲れにくい優しい光のものに交換し、同時に調光スイッチを導入します。
そうすることにより、これらは部屋を暖かくやや薄暗い照明で満たし、脳に休息の時間であることを知らせ、より多くのメラトニンを生成します。
また、部屋を暗く保つために遮光カーテンを採用しましょう。明るい時間に眠るときに効果を発揮します。
心地よい香りで空気を満たします。
アロマセラピーは、寝室をストレス、不安、覚醒を妨げる精神的興奮から解放するのに役立つことが証明されています。
ラベンダー、イランイラン、カモミールなどのエッセンシャル オイルがお勧めです。
それらは体温を下げ、心拍数と血圧を下げることによってリラクゼーションを促進することが知られています。
いくつかの研究では、ラベンダーが心臓、血圧、さらには不眠症に対して最も鎮静効果があると結論付けています。
エッセンシャルオイル、特にポジティブさや落ち着きをもたらすものは、就寝の準備や眠りの維持に役立ちます。
中程度の硬さのマットレスを選択しましょう。
同じマットレスでも人によって快適さのレベルが異なることを考慮すると、ベッドの品質は主観的なものになる可能性が大きいです。
しかし、一般的な規則として、健康的な睡眠習慣を促進するには、背骨の湾曲をサポートする、硬さを調整できる中程度の硬さのマットレスが最適であることは確かです。
頭と首が自然な位置に保たれていれば、寝苦しいため目覚めることもなく、ぐっすり眠ることができるはずです。
まとめ
家のどの部分をリノベーションする場合にも言えることですが、寝室を安眠空間にするには、ある程度の時間と金銭的投資が必要です。
そのことを念頭に置いて、予算に応じてこれらの推奨事項を選択し採用することで、静かで、穏やかで、暗く、快適な睡眠スペースを確保することが出来るでしょう。
-neruco-