
「ベッドパッド」と「敷きパッド」の違い

平均的なベッドメイキングの方法
ベッドのマットレスの上(シーツの下)に使うマットを「べッドパット」といいます。
ベッドパッドの主な役目は、マットレスに汗や汚れが付着するのを防止することです。
マットレスはとても大きく扱いにくいため、持ち運びもしにくく、簡単にメンテナンスをすることができません。
そこで、マットレスの上にベッドパッドを敷いて、マットレス本体を汗や汚れから守る必要があるのです。
そして「敷きパッド」はシーツの上に敷いて使います。
敷きパッドは寝心地を改善することが目的のひとつなので、身体に近い部分に設置して使います。
一つの例として、接触冷感や遠赤効果のあったか敷パッドは、身体に近い所で使う方が効果があると云うことになります。
また、似た寝具で「トッパーマットレス(マットレストッパー)」があります。
保温や寝ダコ防止に良いとされるムートンシーツなども、この類に入るかもしれません。
しかしこのアイテムは必ずしも使用しなければならない、という訳ではありません。
汚れ防止にはベッドパッドで足りていますので、こちらは、寝心地にプラスアルファを求める方が使用するということになります。
このように「ベッドパッド」と「敷きパッド」は、同じ様なアイテムですが、使い方も違えば役割も変わってきます。
それぞれの特徴を理解したうえで、目的にあったものを選びましょう。
ベッドパッドは、マットレスを汚れから守るためにベッドに必須なアイテムです。
とはいえ、様々な種類があるので、それぞれどう違うのかが分かりずらい寝具の一つかも知れません。
ここでは、ベッドパッドや敷パッドを細かく検証して見ましょう。
ベッドパッドの種類と特徴
ベッドパッドは、大きく次の3種類に分けられます。
- お手入れ簡単なベッドパッド
- 寝心地重視のベッドパッド
お手入れ簡単なベッドパッド
ベッドパッドは汗や汚れを吸うため結構汚れるものです。
なのでシーツと一緒で、ご家庭で簡単にクリーニングできるものが使い勝手が良いです。
洗えるベッドパッドの条件
中わたの素材は洗える素材で、ポリエステルなどの化繊わた、綿わた(コットン)、ウール(羊毛)があります。
商品のグレードにより、制菌、ホコリが立たない、乾きやすいなど、特徴のある中わたが使われています。
ただし物によっては洗い縮みなど発生する可能性があるので、必ずクリーニング表示を確認の上購入する必要があります。
厚みは数ミリ~1cm以下程度の薄手でが多いです。家庭での洗濯もしやすく早く乾くものがお勧めです。
寝心地重視のベッドパッド
寝心地の良さを重視したい方で、ご家庭での洗濯の必要性を感じない方には、材質が厚めな天然素材のベッドパッドがお勧めです。
寝心地重視の特徴
中わたの素材は弾力性の高いウール、夏に快適な麻わた、綿わたや、ウールと麻綿のリバーシブルタイプなどがあります。
このタイプのベッドパッドは、寝心地を重視するためわたが多く使われています。
厚みも洗えるベッドパッドより、厚手でボリュームのある商品が多いです。
このタイプのほとんどは、家庭での洗濯はできません。日頃のお手入れは陰干しとなります。
定期的、また、必要に応じてドライクリーニングをします。
ベッドパッドの素材の選び方
ベッドパッドの素材も沢山ありそれぞれ特徴があります。
上記の、好みのベッドパッドのタイプから、好みに合う素材を選びましょう。
ご家庭で洗えるベッドパッドの素材
- ポリエステルわた: 通気性が良く、乾きやすく、軽い。
- 綿(コットン)わた: 固め、乾くのに時間がかかる。
- ウール(羊毛)わた: 弾力性があり、湿気の発散機能がある。
いずれも洗濯可能で、手入れがしやすいように、薄手のベッドパッドになります。
中わたの素材によって、乾きやすさが異なります。一番乾きやすいのが、ポリエステルわたで、以下、次の順番になります。
ポリエステルわた>ウールわた>綿わた
扱いやすいのは、通気性の良さ、乾きやすさ、軽さの点でポリエステルわたがお勧めです。
湿気を吸いやすいものは綿わたが勧めです。保温性に優れるのはウールです。
寝心地重視で選ぶベッドパッドの素材
天然素材のベッドパッドに使われている、主な中わたは、次の通りです。
- ウール(羊毛)わた: 弾力性があり、湿気の発散機能がある。
- 綿(コットン)わた: 固め、乾くのに時間がかかる。
- 麻わた:吸湿放湿性にすぐれ、熱がこもりにくく夏におすすめ。
従来のベッドパットタイプで、寝心地を重視されたい方は、中わたがウール(羊毛)のウールタイプをお勧めします。
ウールは弾力があり、寝心地が良く、湿気の吸収、発散をしやすい素材です。ベッドパッドの中わたには最適です。
洗えるタイプのウールベッドパッドも販売されていますが、寝心地を重視される場合は、洗えるタイプよりボリュームがあるタイプをお選びください。
お手入れは、ドライクリーニングになりますが、日頃は、ベッドシーツを取りかえるときに、ウールベッドパッドを陰干ししていただくだけで十分です。
ベッドパッドのサイズ
ベッドパッドのサイズは、ベッドのマットレスのサイズ(シングル、セミダブルなどのサイズ名称)に準じます。
マットレスのサイズ名と同じベッドパッドのサイズを選びます。
サイズ | マットレスの寸法 | ベッドパッドの寸法 |
シングル | 幅 97 x 丈 195 cm | 幅 100 x 丈 200 cm |
セミダブル | 幅 120 x 丈 195 cm | 幅 120 x 丈 200 cm |
ダブル | 幅 140 x 丈 195 cm | 幅 140 x 丈 200cm |
クイーン | 幅 160 x 丈 195 cm | 幅 160 x 丈 200 cm |
キング | 幅 180 x 丈 195 cm | 幅 180 x 丈 200 cm |
敷きパッドの種類と特徴
敷きパッドで蒸れないものを選ぶには、
- 側生地の素材
- 中綿の素材
この2つを理解することが重要です。
敷パッドは必ずしも必要がないものです。主な使用目的は寝心地を改善する為です。
敷パッドを使うと、寒い時期に暖かく寝れたり、暑い時期には冷感接触タイプで涼しく寝ることができます。
またボリュームがありクッション性があれば、寝心地を柔らかく改善することもできます。
側生地の素材
側生地は直に肌に触れる部分です。
そのため、側生地の素材に吸水性・吸湿性があるかどうかは寝心地に大きく左右するポイントです。
素材にはいろいろありますが下記のものが主なものです。
- 綿(コットン)・・・ 吸湿性、 耐久性、洗濯性に優れます。
- 麻(アサ)・・・ 吸湿性 、放湿性、弾力性、 耐久性、洗濯性 に優れます。
- 絹(シルク)・・・ 吸湿性 、放湿性、に優れます。
- 羊毛(ウール)・・・ 吸湿性 、放湿性、弾力性、に優れます。
- レーヨン(テンセル含む)・・・ 吸湿性 、放湿性、に優れます。
- 化繊(ポリエステル)・・・ 弾力性、 耐久性、洗濯性 に優れます。
化繊は洗濯に強いですが吸湿性や吸水性に劣るため、できるだけ天然繊維の中から選ぶようにしましょう。
化繊はは吸水性があまりないので蒸れやすいです。
中綿の素材
敷パッドは、側生地だけでなく、中綿の吸水性・吸湿性も大切です。
中ワタの素材の特徴も側生地の特徴に準じます。
組み合わせの悪い例で申し上げると、例えば、側生地:綿100%、中綿:ポリエステル100%というものだと、いくら生地が綿100%であってもやはり蒸れやすさを生じます。
側生地と中綿双方とも適した素材でないと中途半端になります。
中綿の素材はポリエステル100%は避けて、綿、麻、など吸湿素材などから選ぶようにしましょう。
接触冷感敷パッド
蒸し暑い夜を快適に過ごすための、接触冷感の敷きパッドがお勧めです。
以下冷感敷パッドでお話を進めて参ります。
冷感敷きパッドがあれば、布団の暑苦しさが改善され、エアコンを使う時間が短くなるかもしれません。
エアコンの使い過ぎは身体に悪いですし、電気代もかさみ増す。
ここでは冷感敷きパッドの特徴や選び方などを紹介します。
接触冷感の敷パッドの選び方
Q-max値は0.3以上
冷感敷きパッドの、選び方の基準として「Q-max値」があります。
Q-max値とは、接触冷感生地に触った瞬間、どれだけ冷たく感じるかを表した指標のことで、数値が高いほどひんやりと感じます。
一般的にQ-max値が0.2以上のものを接触冷感素材と呼びます。
ある程度、ひんやりさせたい人には、Q-max値0.3以上のものをおすすめします。
ただし、これはあくまで触った瞬間のひんやり感を表す指標です。
この数値が高くても、ひんやり感の持続性や寝心地も良いとは限らないため、目安のひとつと考えましょう。
通気性や吸放湿性
冷感敷きパッドを選ぶときは、通気性や吸放湿性の高さに注目しましょう。
これらが悪いと、Q-max値が高くても朝まで涼しく快適に眠ることはできません。
通気性や吸放湿性に関わってくるのが素材です。
冷感敷きパッドの素材に多いのが、ポリエステルやナイロンといった化学繊維、化学繊維は吸放湿性が低いといわれています。
が、それをカバーする工夫を施されたものも各種メーカーから提供されています。
化学繊維は強度があり乾きやすく、比較的安価で、何よりひんやり感を強く出せます。
化学繊維が使われているものでも、裏生地(肌に触れない面)にメッシュが使われているものだと通気性が高まるので、選ぶ際にチェックしましょう。
天然素材である綿や麻は吸湿性に優れています。しかし冷感敷きパッドの素材としては、多く使われているわけでがありません。
それは化学繊維のほうが、冷感素材を混ぜ込めるのが簡単なためです。
衛生面の機能
冷感敷きパッドを選ぶときは、衛生的に使い続けられるかをチェックしましょう。
衛生面に関係するのは、ダニ対策や抗菌防臭機能、洗濯のしやすさなどです。
夏場は汗を多くかくため自宅で洗濯できるものをおすすめします。
また、強度があるものや、洗濯を繰り返しても機能性が落ちない工夫がされているものであれば、頻繁な洗濯にも耐えられるでしょう。
すぐに乾くもの、部屋干し臭を抑えられるものであれば、雨が多い時期の洗濯のストレスを軽減できます。
自宅で簡単にクリーニングできれば、清潔に保ち続けやすいといえるでしょう。
あったか敷きパッド
寒い季節になると、冷たい布団ではなかなか寝付けないですね。
そんな寒い冬にお勧めしたいのが暖かな肌触りの「暖か敷きパット」です。
ベッドや布団の上にセットするだけで“ひんやり”から解放され、ぐっすり眠ることができます。
- 吸湿発熱敷パッド
- 遠赤外線 敷きパッド
吸湿発熱敷パッド
吸湿発熱素材の特徴

吸湿発熱素材の仕組み
吸湿発熱素材といえば、ユニクロさんのヒートテックがつとに有名になりましたが、今や発熱素材のアンダーウェアは冬場の定番です。
それらがどういう仕組みで暖かくなるかというと、生地が汗などの水分を吸って発熱するという仕組みです。
これは凝縮熱と呼ばれる現象を利用したもので、水蒸気が水に変わるときに熱を発することで暖かくなります。
つまり吸湿発熱素材はこの凝縮熱が作用しやすいように作られた繊維ということです。
人間は寝ている間にコップ1杯以上の汗をかくと云われています。
ですから吸湿発熱素材を使った敷きパッドを敷けば、汗をかけばかくほど暖かくなるという理屈になります。
特に湿気や水分は下に降りていく習性があるので、吸湿発熱作用のある掛け布団などを使うより敷パッドに使うことが理にかなっています。
ちなみに汗は滴るわけではありません。不感蒸泄(ふかんじょうせつ)と呼ばれる生理現象が人間にはあります。
不感蒸泄とは何かといえば、実際には汗をかいていないように見えても、人間の皮膚からは常に水蒸気が発せられている生理現象のことを言います。
一般的に化学繊維であるポリエステルやアクリルなどは水を吸収する力が弱く、発熱量も低い傾向にあります。
一方でヒートテックに使用されるようなレーヨンは水分吸収力が非常に高く、凝縮熱を多く発生させるため暖かいわけです。
理論上水分吸収力が高いほど発熱量も大きいことがわかりましたが、実際には吸湿力があるだけでは暖かさを維持することはできません。
何故なら限界まで水分をため込んでしまうと、今度は吸水力が落ちて発熱しなくなってしまうからです。
そこで吸湿発熱素材の暖かさを長く持続するために必要になるのが速乾性です。
湿気を吸って発熱した後は、素早く湿気を外に逃がすことができれば、吸湿発熱を繰り返すことになると言うことになります。
遠赤外線 敷きパッド

遠赤外線敷パッド
遠赤外線の特徴
遠赤外線は、電磁波の一種です。電磁波と聞くと、難しそうに感じる人も多いでしょう。
電磁波には紫外線やX線、マイクロ波などがあります。
赤外線も電磁波の一種で、遠赤外線というのは、赤外線をさらに細かく分けたうちの1つです。
可視光線の中では波長が長い光は赤色で、波長の短い光は紫色ですが、電磁波を分類する際には、波長の長さを基準にします。
赤外線は赤い光よりも波長が長いため、赤い光の外側にあるという意味で、そのような名前が付けられています。
そして、遠赤外線は赤外線の中でも、さらに波長が長い電磁波です。可視光線から遠い赤外線のことを意味しています。
遠赤外線は基本的に全ての有機物が発していて、当たった物体を直接温める働きがあります。
遠赤外線を発するものとの間に、風などが吹いたとしても、温める働きに影響がないのが特徴です。
形のある物ではないため、遠赤外線そのものが冷やされることもありません。
太陽光にも遠赤外線が含まれており、日差しを浴びると暖かいと感じるのは、遠赤外線があるためです。
遠赤外線の敷パッドは、遠赤外線を特に多く放出する有機物を、練り込んだ側生地やワタを使用しています。
例えば、化石サンゴを使っている、遠赤外線が多いです。これなど電気毛布を使うよりも暖かく感じることもあるでしょう。
電磁波の中には、人体に悪影響を及ぼすものもあるため、遠赤外線はどうなのか心配になる人もいるでしょう。
しかし、遠赤外線は人体には無害です。遠赤外線を浴びることで、健康を害するようなことはありません。
むしろ遠赤外線は、健康に好影響を与えることが多いです。
冷え性などで、身体を温めて眠りたい人以外に、健康効果を期待して、遠赤外線の寝具を使っている人もいるでしょう。
また、光電子敷パッドと言われるものも遠赤外線を用いた敷パッドです。
肌に触れる部分の生地にアメリカ軍と登山家が認めたポーラテックフリースを採用、適度な通気性と保温性に優れたフリースは、アウトドアの分野で欠かせない素材の一つです。
中綿には、遠赤外線効果のある光電子繊維を使用します。
また、遠赤外線の効果によりムレ感のない心地よい温かさをもたらしてくれます。
まとめ
ベッドパッドはマットレスの上に敷き、シーツの下に使います。
マットレスの汚れ防止に使うので、シーツと同じように自宅でクリーニングできるものがお勧めです。
敷パッドは、ぜひとも必要ではありませんが、寝心地を改善するために用います。直接肌に触れる位置での使用となるため、蒸れにくいものを選ぶというのが基本です。蒸れにくい敷きパッドをお探しなら、側生地と中綿のどちらにも吸水性・吸湿性のある天然素材(綿、麻、絹、レーヨン)がお勧めです。
-neruco-